「あー楽しかった!ね、陽?」
「おぅ!すっげぇ楽しかった!胴上げとか初めてしたし!」
「陽まで一緒にやってどーすんだよ」
「……うっ。だって凛音がやろうって言うから……」
ハァと盛大な溜め息を吐き出した彼方を見て、不貞腐れたように唇を突き出す陽。
その仕種が凄く可愛くて。
「陽可愛いー!」
思わず抱き着いてしまった。
あぁ、やっぱり陽は可愛いなぁ……。
癒されるー。
「凛音ちゃん、胴上げは今日だけにしてね?怪我したら危ないから」
「い、壱さん」
「可愛い顔に傷付いたら駄目だし」
「あわわわわ……」
そっと頬に触れる壱さんの綺麗な指先にポッと頬が赤らんで固まる。
い、壱さん、相変わらずストレート!
心臓に悪いんですけど!
久しぶりのキラキラスマイルに凛音ちゃんノックアウト。
「壱さん、あたしもう胴上げしない」
「うん。いい子いい子」
はぅあ……!
ヤバーい!壱さんの傍に居たら爆死する!
あたしの頭をよしよしと撫でる壱さんに爆死寸前のあたし。
あぁ、もうホント素敵すぎる……。
「……お前、その顔ヤベェぞ」
「む」
来た。五月蝿いのが来た。
そろりと振り向くと、そこにいるのは小姑並みに五月蝿い煌で。
あたしを見る目は呆れを通り越して馬鹿にしているように見える。
相変わらず失礼な奴だ。


