「──この日をずっと待ってた」


「………っ」


「お前が戻ってくるのをずっと待ってた」


「十夜……」



もう、涙が溢れて止まらない。



「……あたしも」



十夜への感情が溢れて止まらない。



「あたしも、ずっと待ってた」



やっと“ここ”へ戻って来れた。



「十夜の元へ戻れるのをずっと待ってたよ」



大好きな人の元へ、戻って来れた。









「お前も誓え」



……え?



「もう、俺から離れないと誓え」



大きな手で頬を包まれて、漆黒の瞳があたしを真っ直ぐ貫く。



「……っ、うん。誓う。離れない、もう十夜から離れない……!」



そう言ったと同時に、頬に触れている手の力が強まって、再び背中に腕を回されて抱き締められた。




……誓う。誓うよ。


もう、十夜から離れないって。

絶対離れないって。


ずっとずっと傍にいるって誓う。


だから、十夜も傍にいて。


ずっと。




「……十夜、だい──」



「おーい。そろそろいいですかー」



す、き……ってちょっとー!



あと一息という所で邪魔が入り、言葉詰まる。



この声は煌。絶対アイツだ。


っていうか、アイツしかいない。空気読めない奴は。