「行け」
「え?」
「お前の仲間の元へ行け」
「……っ、優……」
掴んでいた両肩を離した優音はそう言って軽くあたしの左肩を押した。
「約束、忘れるなよ?」
「うんっ、忘れないっ……!」
少しだけムスッとしている優音にそう言うと、あたし達を囲む貴兄達に目を向けた。
貴兄も慧くんも嵐ちゃんも遊大も時人くんも。
みんな小さく頷いて微笑んでくれた。
「みんな、ありがとう……!」
精一杯の感謝を込めて、頭を下げる。
そして、力一杯振り返り、その場から駆け出した。
向かうのは大好きな人達の元。
戻りたくて戻りたくて仕方なかった場所。
離れても忘れる事が出来なかった人達。
思い出すと心が痛む。
逢う度拒絶して傷付けた。
苦しくて苦しくて苦しくて。
そして、哀しかった。
大好きな人達を傷付ける事しか出来ない自分に何度も苛ついて。
責められてもおかしくない程の事をしてきた。
それなのに、それなのに皆は来てくれた。
受け入れてくれた。
もう戻る事なんて有り得ないと思っていたのに。
一緒に居られるなんて有り得ないと思っていたのに。
そんな夢みたいな事、
起こる訳ないと思っていたのに……。
「凛音………!!」
あたしの元へ走ってくる陽の姿はもう、涙でハッキリと見えなかった。


