震える拳が哀しくて、堪らず優音に抱きついた。
「……だから、いつでも頼ってこい」
「うんっ」
「絶対だからな!」
「うんっ」
「絶対」
「うん、絶対。絶対優の元に行くから……」
優音。あたしの片割れ。
お腹の中からずっとずっと一緒にいた弟。
楽しい時も哀しい時も何をするのも一緒で。
色んな時を共に過ごしてきた。
だからこそ寂しい。
逆の立場ならあたしも拗ねていたかもしれない。
ううん、絶対拗ねてた。
「たまには帰ってこい」
「うん。優も遊びに来て」
「毎日行く」
「それは……」
「嘘だよ」
「………」
あたし達のやり取りにプッと吹き出す時人くんと慧くん。
「優音?」
巻き付けていた腕をするりと離した優音は、あたしの両肩を掴み一歩横へずれた。
優音の視線はあたしの後方、鳳皇へと向けられている。
「──誓えるか?」
……優?
「凛音を護れると、誓えるか?」
「……っ、優」
優音から出た言葉に驚き、目を見開く。
「凛音を傷付けないと、誓えるか!?」
優音……。
十夜達を見据えるその真剣な横顔にまた涙が溢れてきた。
もう、嬉しくて嬉しくて胸が張り裂けそうだ。
「──あぁ、誓える」
「………っ」
後方から聞こえてきた低音ボイスに心臓が大きく跳び跳ねる。
振り向くと、視線の先には大好きな人の姿があった。
「凛音は俺達が護る」
「……十夜」
十夜もまた真剣な表情で優音を見据えていた。


