Ri.Night Ⅳ


震える拳が哀しくて、堪らず優音に抱きついた。


「……だから、いつでも頼ってこい」


「うんっ」


「絶対だからな!」


「うんっ」


「絶対」


「うん、絶対。絶対優の元に行くから……」



優音。あたしの片割れ。


お腹の中からずっとずっと一緒にいた弟。


楽しい時も哀しい時も何をするのも一緒で。


色んな時を共に過ごしてきた。


だからこそ寂しい。


逆の立場ならあたしも拗ねていたかもしれない。


ううん、絶対拗ねてた。



「たまには帰ってこい」


「うん。優も遊びに来て」


「毎日行く」


「それは……」


「嘘だよ」


「………」


あたし達のやり取りにプッと吹き出す時人くんと慧くん。



「優音?」


巻き付けていた腕をするりと離した優音は、あたしの両肩を掴み一歩横へずれた。


優音の視線はあたしの後方、鳳皇へと向けられている。






「──誓えるか?」



……優?



「凛音を護れると、誓えるか?」


「……っ、優」



優音から出た言葉に驚き、目を見開く。



「凛音を傷付けないと、誓えるか!?」



優音……。


十夜達を見据えるその真剣な横顔にまた涙が溢れてきた。


もう、嬉しくて嬉しくて胸が張り裂けそうだ。





「──あぁ、誓える」


「………っ」


後方から聞こえてきた低音ボイスに心臓が大きく跳び跳ねる。


振り向くと、視線の先には大好きな人の姿があった。



「凛音は俺達が護る」




「……十夜」


十夜もまた真剣な表情で優音を見据えていた。