Ri.Night Ⅳ


「……っ」


その言葉に思考が完全にストップした。


けれど、それはほんの一瞬で。


直ぐ様その意味を理解したあたしは貴兄へと視線を戻した。



真剣な表情で真っ直ぐ十夜達を見据えている貴兄。


その表情は今の言葉が冗談ではない事を表していた。



「貴兄……?」


恐る恐る呼び掛けてみると、貴兄は再度あたしを見下ろし、困ったように微笑んだ。



「これは“今”決めた事じゃない。この抗争が始まる前にはもう決まっていたんだ」


「……決まってた?」


「あぁ。獅鷹幹部全員で話し合って決めた。

けど、最終決定はお前の言葉を聞いてから決めようと思ったんだ」


「あたしの……?」


だから正直な気持ちを言えって言ったの?


あたしの気持ちを確かめてから決めようと思った?



「貴兄……」


「……そんな顔すんな。俺が言えって言ったんだ。お前は気にしなくていい」


「でも……」


「いいっつってんだからいいんだよ」


「……っ、嵐ちゃん?」


呆れたような声が聞こえ たかと思うと、いきなり右方から右手が現れ、ガシッと頭を掴まれた。


わしゃわしゃと掻き回され、頭が揺れる。



「ちょ、嵐ちゃ……!」


「俺等に遠慮するんじゃねぇよ。お前は鳳皇に戻りてぇんだろ?

さっきの言葉、今更嘘でしたとか言うんじゃねぇよな?」


「嘘なんかじゃ……」


「じゃあいいだろ。俺等がいいって言ってんだ。お前は素直に返事すりゃいいんだよ」


「いたっ……!」


おでこにデコピンが飛んできて、あまりの痛さにおでこを押さえた。