落日の楽園(エデン)

 常に介弥より上に居たかった。

 彼に憧れ、仰ぎ見られる存在になりたかった。

 だから、頑張った。

 他人を顧みる余裕なんてないほどに。

 舞、という介弥の声がすぐ近くでした。

 緑色の絨毯の上の自分の手を見ていた舞は、その近さに驚き、顔を上げる。

 介弥の顔が不自然に近づいた。

 それが何かを察して、押し戻す。

「舞?」

 不安げに介弥が呼びかけた。

 舞は彼の顔が見れなかった。


 どうしてだろう―?


 怒ったから?


    違う。


 恥ずかしかったから?


    それも違う。


 もしかして、私は―

  今、それを受け入れてしまいそうだったから?