だから、と、静かな声でルイは言って。
「ごめんなさい」
エドガーやベルたちに、深く、深く頭を下げた。
「ルイ……?」
「はしごを壊したのは俺じゃありません。俺じゃないけど、ひびに気づいてたのに、見ないふりをしました」
思いもよらない言葉に、誰も、何も言えないでいた。
沈黙の中、ルイは訥々と語る。
「知ってると思うけど、レイエ工房のみんなは、ルルー工房の人たちが好きじゃありません。ここ最近はサン・マテュー教会の件もあって、特に。
それですこし前に、ポーカーで負けたヤツがルルー工房にいたずらをしかけるってことになって……、負けたのが、俺でした」
ルイはそこで一度、言葉を切った。
わずかに震えていた手をぎゅっと握って、けれど、目は逸らさなかった。
エドガーは黙って先を促した。



