ルルー工房の月曜の午後





「あ? ルイ、おまえどっちの味方だよ!」



「どっちとか、そんなのないだろ。とりあえず落ち着いて、レイエさんが帰ってくるのを待とうよ」



必死になだめようとするルイに、徒弟は侮蔑もあらわに顔を歪めた。



「善人ぶりやがって。元はと言えば、てめぇがルルーのはしご壊したからだろうが!」



つまりこの男は、ルイがルルー工房のはしごに傷を入れたから、ルルー工房が仕返しに祭壇画を盗んだと思っているらしい。


――そんなこと、あるわけないのに。



堪えきれなくなって、ベルが口を開いたとき。



「知らないから、そんなふうに思うんだろうね」



思いのほか穏やかなルイの声に、ベルは言葉をのみこんだ。



「はしごは関係ない。たとえ俺がルルー工房のはしごを壊したんだとしても、この人たちは絶対、祭壇画を盗んだりなんてしない。そういう人たちだって、知ってる」