「俺はそろそろ仕事に戻らないといけないんだが、その前にすこし話せるか、エド」
エド。レイエがそう親しげに呼びかけたことがすこし意外で、ベルはエドガーの横顔を盗み見た。
表情の少ない顔は、ほんのわずかに柔らかな笑みを浮かべていて、ベルの心臓は大きく脈打った。
「あぁ、フィル。かまわない」
二人は友人なのだろうか。
知りたい、と思った。
あんなに優しげな顔をするのだ。
きっと古い仲に違いない。
なら、若い頃のエドガーを、レイエは知っているのだろうか。
若い頃のエドガーはどんなふうだったのだろうか。
好奇心でそわそわするベルに、リュカは苦笑したが、リュカの細めた目にも好奇心が光っていた。
けれど、ベルがなにか質問を繰り出す前に、エドガーははしごの選別と運び出しを二人に任せて、レイエと共に奥の部屋に消えていってしまった。
仕方がないから二人は作業に取り掛かったが、ちょうどいい高さのはしごを選び、倉庫の外まで運び出してしまうまでに、そう時間はかからなかった。



