やはり同じ地域の工房どうし、仲良しこよし、とはいかないのだろう。
レイエ工房とルルー工房はライバルどうしと言ってもいい関係。
まして「ルルーがレイエの依頼を掠め取った」などと言われている天井画の件で、レイエが手を貸すわけもないと、三人は思っているのだろう。
けれど。
「ルイのようなひとだっているんです。レイエ工房の皆が皆、ルルー工房が嫌いというわけじゃないんじゃないかな、って、僕は思うんです」
それに、以前フィルマン・レイエがセヴランとともにルルー工房へ来たときのことを、ベルははっきりと覚えていた。
あのとき、エドガーが描き直した天井画を見て、ギラギラと光ったレイエの目。
その光は対抗心だけではなく、焦がれるような憧憬をはらんでいた。
「納期は伸ばせるかもしれませんが、やはり多少信用が落ちることは確実ですから、それは最後の手段にして、頼んでみるだけ頼んでみませんか?」



