「かと言って、今ある梯子を修理してもらうのも、やっぱり日数がかかる。
応急措置だけして使うっていうのもなぁ。不安要素を残すのは避けたいし……」
困ったね、と、苦い顔をしたリュカに、同じように難しい顔をしたジルがため息をついた。
「モンフォール枢機卿とセヴランに事情を説明して、納期を伸ばしてもらいましょう、親方。
もともと余裕持って設定された納期だし、三日や四日伸びたところでたいして問題にもなりませんよ」
ジルの提案に、エドガーが何か言おうと口を開きかけた、そのときだ。
「あのー、他の工房から借りたりできないんですか?」
おそるおそる、といったふうに手を挙げて、ベルが言った。
「レイエ工房とかなら、梯子、たくさんあるんですよね? 頼めば一脚くらい貸してくれないでしょうか?」
ことん、と首を傾げたベルを見るジルとリュカの表情は複雑そうだ。



