「最後の審判かね?」
思っていたことと同じ言葉をセヴランの声が言って、ベルはハッと顔を上げた。
「はい」と、エドガーは頷く。
合っていた、と、ベルが喜んだのもつかの間。
セヴランは「ふむ」と頷いて、顎のひげを撫でながら再び天井を見上げると。
「仰視法が甘いな」
広い聖堂に、短い言葉はやけに大きく響いた。
リュカもベルも、息を止めた。
よくよく天井の絵を見てみても、綺麗な仰視法に見える。
「当てつけのつもりか」
小さな小さな声で呟いたリュカの言葉は、すこし離れたセヴランには聞こえていないようだったが、
エドガーは気がついたようで、リュカのほうを向くと。
「リュカ」
呼ばれて、リュカはびくりと肩を震わせた。
失言を叱られるだろうか、と、怯えたような表情をしたリュカに、エドガーはまったくいつも通りの無表情で、
「漆喰を剥がしてくれ」
そう言いながら、そのへんに置いてあったパレットと絵筆を手に取った。



