どうしたのだろう、とは思ったが、セヴランとレイエが近づいてきたので、ベルは訊かずに黙っていた。
「彼は、新しい弟子かね? 見ない顔だが」
セヴランはベルを指差して、エドガーに問う。
「はい。昨日から」
「ほう。女のように細くて、あまり役に立ちそうには見えんなぁ。ルルー殿は人を見る目があまりないと見える」
その言葉に、ビク、とベルの肩が震えた。
一瞬、女であることを見破られたかと思った。
明らかに悪意のある言葉に、しかしエドガーは怒るでもなくたじろぐでもなく、小さく笑みを浮かべる。
「腕と根性は確かですよ。私の目に狂いがなければ、あれは努力のできるやつですから、筋力はじきにつくでしょう」
思いがけない言葉に、ベルは大きく目を見開いた。
昨日出会ったばかりのベルの、エドガーは何を見てそう思ったのか。
わかるわけもなかったが、エドガーが世辞やその場しのぎで言ったとは思えなかった。
表情の少ないエドガーが、いつになく柔らかい眼差しをしていたから。



