一体何なんだろう、と思いながらその様子をしばらく眺めていると。
「ムラが多い。もうすこし練ったほうがいい」
そう言って、背を向けて去っていく。
思わずベルもエドガーの真似をしてイエローオーカーを間近でじっと見つめると、
なるほど、ほんのすこし油と黄土の混ざりきっていないところが見えた。
素直に練り直しはじめながら、「ねぇ、リュカ」と、ベルは何気なくリュカに声をかけた。
「ん?」
「イエローオーカーもそうだけどさ、大抵の絵の具は二、三日は保存できるよね。
親方はどうして、すこし作っては使いきって、また作って、ってしてるんだろう」
あまり効率的なやり方ではないと思うけれど、とは口にしないでおいた。
万一聞かれていたら恐い。
ベルの疑問に、リュカは「あぁ、それね」と、苦笑した。
「ベル、でも君は今、ムラが多いって言われただろ」
確かに言われた。けれど、それが何だと言うのだろう。
首を傾げたベルに、リュカはただ穏やかに笑って。
「もっと練習しなくちゃね?」



