ルルー工房の月曜の午後




「……あれ、そういえば主祭壇画は?」


ふと気がついて、ベルはつぶやいた。

ルルー工房は天井画を任されている。

それなら、最も重要な主祭壇画はどうなるのだろう?


答えたのはジルでもエドガーでもなく、ルイだった。


「主祭壇画はレイエ工房が手がけているんだ」


苦い笑みを浮かべた頬をぽりぽりと掻きながら、ルイは気まずそうにベルから目をそらした。


「もともとこのサン・マテュー教会の天井画も祭壇画も、ギルド長からレイエ工房に任された仕事だったんだ。

でも、ギルド長にこの件の采配を任せたモンフォール枢機卿はパリのそれぞれの工房に詳しい人だった。

天井画も祭壇画もレイエ工房が手がけることになったと報告を聞いてすぐに、モンフォール枢機卿は天井画をルルーさんに描かせろと命令した」


「……どうしてですか?」


「レイエさんはフレスコ画ができないから」


困ったように笑って、ルイは静かに言った。


聞こえているはずのジルは何も言わない。

ただ黙って梯子を支えている。