「……おう。よろしく」
ぼそ、とジルがそう言うと、エドガーの「話が済んだのなら作業に戻るぞ」の一声で、ジルは梯子のそばへ戻った。
パレットに絵の具を足して梯子を再び登るエドガーを見守りながら、ベルとルイは邪魔にならない場所に座り込んで天井を見上げた。
「せっかく見学に来てくれたのに悪いけど、」
上を見上げたまま、ジルが言った。
「今日はそんなに派手なことはしないんだ。もともと微調整だけするつもりだったから」
その言葉通り、エドガーは白い壁面に新しく絵を描いているのではなく、すでに描かれた箇所に筆を入れている。
聖堂を見渡すと、身廊は絵が完成しているが、主祭壇上のドーム型の天蓋にはまだ何も描かれていない。
「主祭壇の天井は明日からはじめるんだ。次の日曜には終わらせるつもり」
ジルのその言葉に、鼓動が速くなるのを感じた。
次の日曜には、この天井画が完成したところが見られる。
主祭壇の天井はどんな絵になるのだろうか。



