「すごい……」
ため息まじりにつぶやいた言葉が、礼拝堂の静けさにこだまする。
しまった、と思った時には遅かった。
エドガーとジルが同時に振り返り、ベルと目が合った。
「ベルトラン?」
エドガーが名を呼んだ。
ベルは観念して、エドガーのもとへ歩いていく。
その後にルイもついてきた。
「えっと、こんにちは……」
慌てた結果、そんな間抜けな挨拶をしてしまった。
恥ずかしさに赤面するベルに、「何しに来た?」と、エドガーが問う。
「えっと、親方が絵を描いているところを見てみたくて……」
縮こまってそう答えたベルに、エドガーは「そうか」とだけ言って、ルイに視線を移した。
「おまえはたしか、レイエ工房の」
「ルイ・アランです。えっと、俺もルルーさんの天井画、見たくて」
引きつった顔でルイは言った。
なぜかガチガチに緊張している二人を見下ろして、エドガーはほんのすこしだけ微笑むと。
「そんなにコソコソしなくても、見たいなら見ればいい」
大きな手のひらで二人の頭をかるくたたくように撫でた。



