ルルー工房の月曜の午後




その言葉が嬉しい気持ちと、ルイに申し訳ない気持ちとが入り混じって、複雑な心境だった。


ベルの表情からそれを読み取ったのか、ルイはいたずらっぽく笑うと、

「そんな顔すんなよ、ベルトラン」

と、ベルの額を小突く。


「今はレイエさんに会えてよかったと思ってるし、俺の家はレイエ工房だ。ルルーさんの弟子になりたい気持ちはもうない」


「……そうですか」


安心したようにベルが笑う。

ルイはそれに笑みを返して、「着いたよ」と、前方を指差した。


ノートルダムやシャルトルやルーアンの大聖堂ほど大きくはないが、それなりに立派な教会だった。


ファサードの両端は低めの尖塔が伸び、おそらく主祭壇のあるあたりの屋根はドーム型になっている。


白い壁には派手すぎない程度に天使やマリアのレリーフが彫り込まれていて、アーチ形の正面入り口の両側を支える柱は天使の像だ。


今にも飛び立ちそうな軽やかな羽とゆったりと風に揺れる衣の見事な表現に頬を紅潮させるベルに、

「あの天使の像はミシュレさんが作ったんだよ」

と、ルイが教えてくれた。