ルルー工房の月曜の午後




教会を目指す途中、男はルイ・アランと名乗った。


レイエ工房の親方フィルマン・レイエの一番弟子だと言う彼は、エドガーの技術に心酔していると語った。


「あんたはルルーさんの絵を見たことはある?」


「いえ……、だから、見てみたくて」


ベルがそう答えると、ルイは満足げに頷く。


「きっと感動する。ルルーさんは若い頃にイタリアへ留学していたことがあって、だからイタリア色が濃いんだよ」


イタリア、と言われると、ラファエロの模範的な聖母が頭に浮かんだ。


親方の絵も、ラファエロのように明快で正確なのだろうか、とベルが言うと、ルイは首を横に振った。



「いや、近いのはアンニーバレ・カラッチかな」


「カラッチ?」


「うん。もう十年前に亡くなった人だったかな。

自然な明るい色使いで、躍動感のある絵を描くひとなんだけど、ルルーさんの絵はさらに壮麗さが増す。

あんなに寡黙なひとだけど、意外と装飾的な絵を描くんだよ、ルルーさんは」