制作場の奥には親方の部屋。


二階からが、徒弟の部屋だ。

リュカともう一人、今はエドガーと一緒に教会にいるらしい人の部屋、そしてベルの部屋は、そろって二階。

三階には一つの空き部屋と一つの物置部屋があって、それからもう一つ、今ヴェネツィアへ修行に出ているエドガーの一番弟子の部屋があると、ベルはリュカに説明された。


それから一通り、お風呂や厠の場所、どこに何があるかを説明されて、家事の当番を決めた。


もともと、アトリエと客間の掃除と月曜日の料理がエドガー、

リュカが皿洗いと火曜水曜の料理、

もう一人がそれ以外の曜日の料理と厠の掃除を担当して、洗濯は各自自分のものを洗うという形にしていた。


これからはベルがアトリエの掃除と洗濯をすることになる。


「ベルトランは、絵はどの程度できるの? 絵の具の調合は?」


物置部屋から出してきた小さなテーブルと椅子を二人でベルの部屋へ運びながら、リュカが尋ねた。


「描くのは得意な方だと思う。エドガーさんも、僕のデッサンを見て工房に迎えてくれたし。絵の具の調合は、まぁ、ある程度なら」