ルルー工房の月曜の午後




そして。


「行くところがないのなら、俺のところへ来い」



相も変わらず無表情で、ベルを見下ろしてそう言った。



「……え?」



「パリの中でも小さな工房だが、それなりのパトロンがついている。おまえもう一人くらいなら養えるだろう」



何を言われているのかとっさに理解できず、ベルは目をぱちくりさせるばかりだ。


そんなベルに、エドガーはさらに言う。



「返事は今でなくてもいい。もし俺の工房に入る気があるなら、ルルー工房を訪ねて来い」



「え……。それって、……弟子として迎えてくれるってことですか?」



信じられない、と言いたげな顔でベルが言うと、エドガーは呆れたように肩をすくめた。



「さっきからそう言ってる」