【紫音side】
夜中の繁華街。
血の匂いが充満する路地裏。
情けない声を出して、後退りする俺らに殴られたヤツら。
「そんな強くねーじゃん。アイツら‼︎」
「言われてる程でもなかったな」
「紫音‼︎この後どうすんの〜?」
「んー……テキトーな女んとこでも、転がり込む」
「あはは‼︎じゃあ、俺も〜‼︎」
ケンカを売られれば買う。
テキトーにふらふらして、何にも束縛されず自由に生きる。
それが俺、龍崎紫音。
唯一、気が合い一緒にいるのが幼なじみの大輝。
普通の道から少し外れた俺らは所謂、不良ってヤツ。
おまけに世渡り上手。
家に帰んなくても生活出来ちゃうのが、俺と大輝だ。
現に今だって、生活出来てる。
「今日泊まらせて」
「良いけど〜…宿代は?」
「体で払ってやろっか?」
「ふふっ…やっぱ、紫音大好き〜♪」
首に腕を回し、抱きつかれる。
感情が一切入らないその行為。
お互いの利害関係が一致すりゃ問題ねぇだろ。