涙を堪えるおばあさんが俺を家に招き入れてくれた。
居間の中心には、しかめっ面のおじいさん。
「お邪魔します…」
「おい、なんだこの若造は」
「一花の同級生の男の子よ。心配して来てくれたの」
「そうか……」
こんな金髪頭で来たのが間違いだったか…。
難しそうな顔をしたまま、将棋盤を出した。
「おい、若造‼︎将棋は出来るか?」
「将棋はちょっと…。チェスなら出来ます」
「じゃあ、チェスにするか〜。まぁ、ちと付き合え」
アメリカにいた頃に覚えたチェス。
一花のおじいさんとチェスやるなんて不思議だ…。
「正直に答えろ」
「はい?」
「一花の男か?」
「…はい。去年の秋からお付き合いしてます」
「そんなお前に、おこがましい頼み事をしたい…」
おじいさんは俯きながら小さく話した。
「どうか、一花を見放さないでほしい…。頼む…。それだけだ」
言われなくても見放すつもりねぇ。
ぜってー取り戻すし。

