階段を登り、教室へと続く廊下の手前で龍崎君は立ち止まった。
「じゃ、俺はこれで」
「へっ?授業出ないの?」
「は?無理。めんどい」
「授業出ないとダメですっ‼︎」
「うっせーな、チビ‼︎小動物‼︎それ以上身長縮ませるぞ、コラ‼︎」
なっ、なんとゆう脅し…‼︎
何も言い返せない‼︎
大人しく教室へ行こうとすると、グイッと手首を掴まれた。
「数学科教科室が俺らの拠点だから」
「えっ?」
「なんかあったら来い」
「いっ、いいの⁉︎」
「まぁ、気が向いたら助けてやる。つーことで、俺寝る…。またな、イチゴ」
ポンポンと優しくあたしの頭を撫で、大きな欠伸……。
頭…ポンポンって。
ちょっと照れちゃうかもです…‼︎
助けてもらって嬉しいし、とても感謝してます。
でも、龍崎君。
あたしの名前は………。
「…一花です」

