俺様には甘いイチゴを。




それからしばらく経った日のこと。


見事に寝坊した俺は昼休みに登校。


教室に入った瞬間、チビイチゴが俺に突っ込んで来た。


「チビのくせにイノシシみてぇな愛情表現するんだな」

「そっ、そうじゃなくて……。きゃ〜‼︎茉夏の言う通り‼︎」

「…はぁ?」


俺のブレザーを掴んだまま、大きな目をうるうる。


「紫音って、lockのモデルさんだったんだねっ‼︎大丈夫だよ‼︎これは、あたしと茉夏、大輝君の秘密にするよ‼︎」



バラした犯人探し?


する必要ねぇ。


1人しかいねぇもん。



「お前、とことん性悪なモデルだな〜。茉夏チャン」

「ほんとに許して。逃げようなかった。一花にモデルのこと教えてって探られて……」

「俺のことも言っちゃった?」

「言っちゃった…。悪気はないから‼︎」



呆気なくバレました。


一花はめちゃくちゃテンション上がってるし……。


「まっ‼︎恋人には隠し事しない方が良いだろ♪」

「大輝の笑顔、めちゃくちゃ腹立つ…」

「なんで⁉︎」


どうせ夏休みにはバレた事。


仕方ねぇか〜………。