でも不思議だよな………。
俺も口では言いつつ、ほんとに一花を食ってやろうとは思わない。
ただ俺の側にいてくれりゃ満足。
相当惚れてんのかも……。
「うぅ〜……太陽が眩しいよ…」
「日陰行くか?」
「行く…。あっ、手繋ぐの」
少し移動するだけでも、俺の指を小さな手がきゅっと握る。
可愛いヤツめ。
日陰に移動し、また一花を膝の上でホールド。
「あたしね、紫音に抱っこされるの好きかも…」
「眠たい顔で言うなって…」
「ほんとだもん。なんか、すっごい落ち着くの」
「お前、今寝たらそっこー襲ってやるからな」
「ううん…。紫音は優しいから……そんなことしないよ…」
トロンとした目付きで、俺の胸に擦り寄る。
そしていつの間にか聞こえる小さな寝息。
寝顔はもっと幼く見える。
「可愛過ぎだバーカ。少しは俺の気持ちも考えろ…」
軽く鼻摘まんでやった。
一花を見てると自分の心音がうるさくて寝れねぇよ。

