悔しくて紫音を見上げれば、困った様に笑うの。
「ちょっ、マジで泣きそうになんなって…」
「だって……紫音が浮気しちゃうのヤダもん…。ふぇっ…」
「泣くなって‼︎俺が悪かったから‼︎」
「ん〜…もうヤダぁ〜…」
あたしが泣き虫になるから紫音を困らせちゃう。
でも優しくしてくれるから嬉しいのです……。
紫音がそっと指先で涙を拭ってくれた。
「つーか、俺はお前以外の女好きになれねぇわ」
「あたしも…。なんか、紫音のことすっごく大好きなんだもん…」
「んだよ、急に…。調子狂うっつーのバカ」
「伝えたかっただけなの」
そう、伝えたい。
だって、今のあたしがすっごく幸せなのは紫音がいてくれるから。
「ねぇ、紫音」
「あ?」
「ありがとねっ」
「ははっ‼︎泣いたり笑ったり忙しいな〜、お前も」
ふわっと抱き寄せられれば、紫音の香水の匂い。
言葉じゃ足りないくらいに大好き。
「キスしとく?」
「少しだけね……」
もうあたしは絶対に紫音から離れること出来ないかも…。
あたしって、幸せ者です。

