俺様には甘いイチゴを。




放課後はいつも通り紫音がお家まで送ってくれる。


さりげなく手を繋いでくれる気遣いに、胸がきゅんってなります…。


「一花、最近楽しそうだな」

「うん‼︎茉夏がいるから楽しいの‼︎」

「俺だけじゃ不満足だったか、チビイチゴ」

「むぅ〜‼︎ほっぺいひゃい…」


あたしの頬を指で摘まんで笑顔。


意地悪なんだから〜‼︎


「ま、でも女友達出来て良かったな。俺も安心した」

「へっ?どうして?」

「いくら一花でも俺に言えねぇ事ぐらいあるだろ?そん時は茉夏を頼れば良い」

「あたし紫音に隠し事しないよ?好きだから全部言うの‼︎」

「バカ素直〜。可愛いじゃん」


ごしゃごしゃとあたしの頭を撫でて、優しく微笑む。


紫音の手が触れる度、ドキドキする…。


バチッと視線が絡めば更に心音が増す。


「キス…してぇな」

「ダ、ダメ…。ここ外だからキス禁止‼︎」

「うわ〜……俺、浮気しちゃうかも」

「それは嫌‼︎絶対にヤダ……」


紫音が他の女の子のとこ行っちゃう………


うぅ〜……考えただけで無理‼︎


泣きそうになるからぁ〜………。