嫌なとこ見られちゃったな…。
恥ずかしくて、一気に体中が熱を帯びる。
「しっ、紫音…。あ、あたし達ね、今遊んでたの‼︎」
「そ、そう‼︎最近、仲良くなって…」
「へぇー。ゴミ箱に靴捨てて、ぶっ叩くのが遊びなんだ?」
「そっ、それは…っ‼︎」
女の子達は泣きそうな顔で足早に去った。
泣きたいのは、あたしなんだけど…。
「…女って怖いなー。大丈夫か?」
「あっ、う、うん…」
「げっ、上靴汚れたな。ちょっと待ってろよ」
ホコリだらけの上履きと、あたしを残して龍崎君はどこかへ。
はぁ〜……迷惑掛けちゃった…。
「おい、チビ。これ履いてろ」
「あ、ありがとう‼︎でも、これ良いのかな?」
「知らね。なんも履かないより、マシじゃん」
「うん。ありがとう、龍崎君‼︎」
彼が持って来てくれたのは、お客さん用のスリッパ。
パカパカします……。
でも、龍崎君の優しさが今のあたしにはすごく嬉しいの‼︎

