【一花side】
教室の窓から流れる春風。
校庭の桜の匂いが鼻を掠める。
早い事に季節は春。
今日から高校2年生になります‼︎
勉強苦手なあたしでも無事に進級出来ました‼︎
そして何よりも嬉しいことが1つ。
「おい、佐藤君。俺と席交換しね?」
「あのっ…僕、斉藤です…」
「わりぃ、斉藤君か。コイツ、俺が側にいねぇとすぐ泣くの。サンキューな」
あたしを指差し、クラスメートの斉藤君にニヤリ顏。
そうなんですっ‼︎
幸運なことに紫音と同じクラス〜‼︎
「俺も一花ちゃんの隣の席行きたいな♪」
「あ"?」
「なーんて言ったら紫音にマジギレされるから、紫音の隣座ろ〜っと‼︎一花ちゃん、2年目もヨロシク‼︎」
「よろしくねっ‼︎大輝君‼︎」
なんと、大輝君も同じなの‼︎
この2人がいてくれれば、あたしも心強い‼︎
「やっぱ一花ちゃん可愛い〜。存在が癒し‼︎」
「大輝、お前殴られてぇか」
「ご、ごめんって‼︎冗談‼︎あははは〜……」
せっかく仲良しなのに、紫音は大輝君睨みつけてるし……。
男の子ってよく分からない…。