首を傾げるあたしを余所に、そのショップへと足を踏み入れた。
うわぁ〜……メンズの服屋さんなんて初めて入ったよ…。
「なぁ、一花」
「はい?」
「あのポスターのモデルと俺、どっちが好き?」
なんて服を選びながらごく自然に聞いてくる。
今日の紫音は様子が変です‼︎
「もちろん紫音の方が好きだよ。モデルさんは、紫音に似てるからカッコイイって思うの‼︎」
「ふーん…。よし、一花の好きなもんなんでも買ってやる‼︎」
「急に機嫌良過ぎじゃないですか⁉︎」
「そんなことねーよ。行くぞ‼︎」
「ちょっと待ってよぉ〜‼︎」
結局、超ご機嫌の紫音はあたしにワンピースをプレゼントしてくれた。
お値段高いのにっ‼︎
「嬉しいけど、申し訳ないです……」
「俺、女の子に金出させんの大嫌いだ」
「今度お返しするねっ?」
「カラダで頼むわ」
「やっぱり紫音は変態さん‼︎」
もう嫌だっ‼︎
ポスターのモデルさんの方が好きになっちゃうから〜‼︎

