俺様には甘いイチゴを。




次の日、朝の学校の下駄箱でふと気付いた。


…上履きがない。


どこ行っちゃったのかな……。


「森野さーん‼︎探し物ってコレ?」

「あっ‼︎あたしの上履き‼︎ありがとう……」


上履きに手を伸ばすと、女の子があたしの上履きをポイッとゴミ箱に投げ入れた。


なっ、なんで…?


「ねぇ。アンタみたいの腹立つんだけど。なんなの?」

「そうよ。ぶりっ子したって無駄」

「所詮、相手にされるはずないじゃん。勝ち目ナシ‼︎」


女の子達が、あたしを囲み下品に笑う。


嫌われる様な事した記憶無いのに…。


「何か嫌な事したなら謝るから…」

「はぁ?自覚ナシ?」

「アンタが、紫音といるなんて生意気って言ってんの‼︎」

「…っ‼︎」



––––––––パシッ‼︎


乾いた音と共に、ヒリヒリ痛む左頬。


初めて叩かれた…っ。


思わず泣きそうになっていたその時。



「何してんの?」


低いのに、どこか優しい声色。


顔を上げれば、龍崎君が……。