俺様には甘いイチゴを。




そんなある日の帰宅途中。


ふと気付いた。


一花の写真……親父に送ってみるか。



「紫音?どうしたの?」

「一花、そこから動くなよ」

「へっ⁉︎な、なんで⁉︎もしかして、写真撮ってる〜⁉︎」

「気のせいだって。撮ってねぇから」

「絶対撮ったもん‼︎シャッター音した‼︎削除して下さいー‼︎」


俺の腕にしがみついて半ベソ。


その間に、親父にメールで送信。


ごめんね、一花チャン。


「うぅ〜…可愛く撮ってよぉ〜…」

「可愛いから大丈夫だ」

「嘘ばっかり……」

「ったく、来週デートしてやるから機嫌直せよ。チビイチゴ」


その瞬間、満面の笑みで飛び跳ねた。


だから、お前は小動物か。


「紫音とデートだ〜‼︎どこ行きます⁉︎」

「一花の行きたいとこ」

「どこにしよう‼︎来週までに考えとくね‼︎楽しみ〜……」

「すっげー嬉しそうな顔してる」


頭を撫でてやれば、超ご機嫌。


コロコロ変わる表情とか見てると、一緒にいて飽きねぇ。