俺様には甘いイチゴを。




このブランドって、メンズじゃなかったっけ?


俺の疑問に答える様に、父親は自慢気に話す。


「来年から、レディースも出そっかなぁ〜と思って。可愛くね⁉︎」

「よく分かんねーけど…。いんじゃないの?」

「だよね〜‼︎レディースモデルも起用しないと…。誰かオススメいる?」

「………あ、一花」

「イチゴ…?」


咄嗟に頭に浮かんだ。


だって、アイツならこんなふわふわしたワンピースとか似合いそう。


「しーちゃん。イチゴって誰?ストロベリー?」

「一花‼︎…俺の彼女」

「ええっ⁉︎しーちゃんの彼女ぉ⁉︎可愛い⁉︎写真見せて‼︎」

「写真とかねぇよ…」

「じゃあ、身長は⁉︎」

「150ちょいぐらい?」


案の定、親父は顔をしかめた。


そりゃそうだ。


モデルの世界はそう甘くねぇもん。


「身長がね〜…。ま、いいや。帰国したら写真送ってよ。それから検討する」

「分かった…」



一花と仕事出来たら、どれだけ幸せか……。


帰国したらすぐ写真送ってやる。