俺様には甘いイチゴを。




なんで俺がわざわざ日本から父親に呼び出されたか。


理由は単純で。


「しーちゃんさ、分かってると思うけど今季もモデルよろしく〜」

「いい加減、モデル雇えっつーの‼︎」

「え〜…ヤダ♪やっぱ、超愛してる息子を起用したいじゃん?」

「嘘付け。コスト削減のクセに‼︎」

「あれ⁉︎分かってた⁉︎」



そんな理由で、実は職業モデルの俺。


親父のブランドのモデルを務め始めたのは、中1から。


どこからとも無くやって来た謎のモデル……。


そんなブランドの設定上、撮影時はサングラスが必須アイテム。


「あっ‼︎ねぇ、しーちゃん。今季から、サングラス外さね⁉︎」

「はぁ⁉︎なんで⁉︎」

「そろそろ公表しちゃおっかな〜って」

「嫌だ。公表されんなら、モデルやんねぇ」

「名前は出さないから‼︎……ママに秘密で給料も弾ませるよ?別荘だって貸すし‼︎」



親父の条件に釣られた…。


オフィス内にある撮影スタジオの鏡の前で、いつもと少し違う俺。


元々染めてる金髪に、ブルーのカラコン。


マジで顔出してモデルすんのは初めてだ……。