俺様には甘いイチゴを。




––––––––多くの人が行き交う都市の中心部。


約1年振りのアメリカ。


街中に密集する高層ビルの数々。


その中の一つのビルに脚を踏み入れた。



フロントにいた金髪のお姉さんに、久々の英語を使う。


「龍崎紫音だけど。父親に伝えて」



即父親からの許可が降り、厳重な警備を通り抜けエレベーターで最上階へ。


最上階のすぐ目の前にあるのが社長室。


数回ノックして入室。


「…おっ、しーちゃん♪久しぶり〜‼︎」

「その呼び方止めろって。父ちゃん…」



ぎゅっと俺にハグして、ハイテンション。


年の割に若く見られる俺の父親。


アメリカに本店を構えるメンズブランドの有名デザイナー。


ちなみに、日本にも支店アリ。


なかなか、俺ら世代にも人気だ。


みんな、こんなヤツが服デザインしてるなんて考えてねぇだろうな……。



「てか‼︎しーちゃんまた身長伸びた?今何cm⁉︎」

「185ぐらい?」

「へぇ〜‼︎しかも、俺に似てカッコ良くなったし〜♪日本で言うイケメンってヤツ⁉︎」


この、ナルシスト親父がっ‼︎