【紫音side】



ピンクのマフラーに顔を埋める一花の冷たい手を握る帰り道。


今日は終業式。


明日から、冬休みだ。



「うぅ〜…寒いね〜‼︎紫音は寒いの得意な人?」

「無理。絶対、無理。つーか、得意なヤツいるかよ…」

「えへへっ‼︎そうだよね〜‼︎」


鼻と頬を赤くして、ふにゃっと微笑む。


あぁ…俺の彼女可愛い過ぎる…。


口に出して言えねぇけど。


「そうだ‼︎あのね、あたし……」

「どうした?」

「冬休みも紫音に会いたいなぁ〜…なんて…。ダメ、かな?」

「俺も一花といてぇけど……」


うるうるした瞳で見詰められる。


マジでごめんな、一花……。


「冬休み中、アメリカ行かなきゃねーの。だから…わりぃ」

「ううん‼︎全然良いの‼︎なんか、ごめんねっ⁉︎」

「その代わり、帰国したらデートしてやる。約束な?」

「ほんとに⁉︎約束だよぉ‼︎」


一花の小さな小指に、俺の小指を絡めた。



出来る事なら、俺も一花の側にいたい。


長期休みなんだし遊び放題じゃん。



でも、遊べない理由があってな……。