俺様には甘いイチゴを。




最初からダメ元だったし。


無理矢理…なんて、出来るはずねぇ。


「…紫音」

「ん?」

「もし…何かあったらまた紫音が助けてくれるもんね?」

「あぁ。絶対、俺が守るから大丈夫」

「うん…。あたし頑張れるっ‼︎」


ビクビクしながら教室に入る一花と、その後ろを歩く俺。


教室が一瞬だけ静まり返った。



「席は、紫音と遠いね…」


廊下側の俺と窓際のコイツ。


頼みは、一花の隣の席のメガネを掛けた松浦君か……。


「おい。松浦君」

「ひぃっ…‼︎なっ、なんでしょう⁉︎」

「俺と席代わってくんね?」

「全然代わります‼︎」


聞き分け良いヤツ。


つーことで、一花と隣の席ゲット。



「ありがとう…紫音。あたし甘えてばっかです…」

「良いんじゃねーの。別に」


俺はお前のたった1人の彼氏で。


甘えて良いと思う。


だから、俺が側にいてやんねぇとダメなんだ。


一花のことは、俺が守る。


絶対に。