あの一件から、俺にとって嬉しい出来事。
一花がずっと俺にぺったり……。
あの生真面目な一花が、授業そっちのけで俺の膝にいる。
「紫音って、金髪なのに髪サラサラ…」
「うっせーよ。今日セットすんのめんどくて、なんもしてねぇの」
「ぺちゃんこの髪の紫音も好きぃ〜」
「はいはい。どーも、イチゴ」
「イチゴじゃないもーん‼︎」
膨れる一花の頬を摘まんだり、頭撫でてやったり。
この生き物、超癒し……。
「ふぁ〜………。なんだか眠たくなっちゃった…」
「仕方ねぇな…。ほら、寝ろ」
膝を叩けば、キラキラと目を輝かせた。
マジで素直過ぎ。
「まさかの膝枕ってヤツですか⁉︎」
「早く来ねぇと俺、授業受けに行くけど?」
「寝る‼︎今すぐ寝ます‼︎ふふっ、幸せだけど固いです…」
「文句とか良い度胸じゃん。イチゴのクセに」
「きゃ〜‼︎食べられるぅ〜‼︎」
お前は、その顔が一番似合ってる。
バカみたいに素直な笑顔。
俺は、一花のそんな表情が好きだ。

