俺様には甘いイチゴを。




––––––––ドンッ‼︎‼︎


「マジで目障りなんだよ‼︎」

「消えてくんない?」


誇りっぽい空気が漂う体育館倉庫。


普通の時間帯では、今はまだ3時間目の授業中。


体を押され、豪快に倒されたあたし。


痛いっ……。


「ブスのクセに調子乗らないで?」

「…っ‼︎なんでこんなことされなきゃないの⁉︎文句あるなら言ってよ‼︎」

「へぇ〜…紫音の彼女だから、生意気な事も言える様になったんだ〜」

「ねねっ、閉じ込めてやろうよ‼︎」


1人の女の子が体育倉庫の鍵を指でくるくる回しながら言った。


ヤダ……怖い…‼︎


「せめて彼氏の助けでも待ったら?」

「じゃあね〜‼︎」

「ちょっ…やめてよ‼︎何するの⁉︎開けて下さい‼︎」



ガチャ………。


抵抗も虚しく、鍵が閉まる無機質な音が耳に響いた。



最悪です……。



「紫音……」


ポツリと大好きな人の名前を呟いても、当たり前だけど返事はない。


あっ‼︎


スマホがあるじゃないですか‼︎


大きな期待を膨らませ、すぐに紫音に電話をかけた。