蕾から少し桜の花が咲く、よく晴れた日。
家のカレンダーに目をやり、今日が卒業式だって気付く。
日取りは、大輝や一花と連絡を取ってて知ってた。
「今日が卒業式の学校多いのね〜」
母さんがニュースを見ながら呟いた。
キャスターが「おめでとうございます」って言ってる。
「俺の高校も今日だって」
「紫音、顔出せば?制服まだ取っといてるんでしょ⁉︎」
「今更めんどくせぇ。制服もすげー奥に閉まったし」
「大輝君やイチゴちゃんに会いに行けば良いのに…」
別に卒業式じゃなくても、アイツらにはいつでも会えるし。
まぁ……良いかな。
特に何もすることなく過ごしてた午後だった。
急に一花からスマホに電話が来た。
『もしもし‼︎紫音‼︎今どこにいます⁉︎』
「今?いや、普通に家にいるけど」
『それなら‼︎今すぐ制服来て学校来てほしいの‼︎お願いっ‼︎』
「はぁ⁉︎今すぐって…」
『じゃあ、教室で待ってます‼︎』
ブチっと切られた電話。
急に呼び出してなんだよなぁ〜……。