俺様には甘いイチゴを。




寂しさが積み重なる一方の夜。


ベッドに寝っ転がると、枕元のスマホが鳴った。


この時間に電話して来るのは紫音しかいないよね‼︎


すぐに電話に出た。


「もしもし紫音⁉︎やっと電話来た〜‼︎」

『わりぃな。忙しくて全然電話する暇なかったし、出てやれなかった』

「ううん‼︎紫音が元気ならそれで良いの‼︎」

『一花は元気か?大丈夫?』

「元気だよ。あたしは大丈夫だよ」


紫音が一番大変な状況なのに……。


気遣いしてくれる優しさに、胸がぎゅっと締め付けられる。


『会いてぇな…』


電話口の切なく小さな声。


あたしもすごく会いたいです……。


「冬休み会いに行くね?約束です‼︎」

『ん。約束。絶対来いよ』



それからは、他愛の無い話をいっぱい紫音に聞いてもらった。


なんでも嬉しそうに聞いてくれるの。


『あ…一花、悪い。仕事入ったから切るな』

「うん‼︎お仕事頑張って下さい‼︎」


10分程の通話時間。


あたしには十分。


早く会いたいな………。