2人でいられる時間もあと少し。
国際線のアナウンスが入り、紫音もあたしも立ち上がった。
バイバイの時間……。
「じゃ、行くわ。なるべく電話する様に努力する」
「電話待ってるね?あ、体にも気を付けて‼︎無理しないでね‼︎」
「分かってる。お前も無理すんじゃねーぞ。困ったら大輝を頼れ」
「大輝君ね‼︎茉夏もいるから大丈夫‼︎」
「つーか、一花も泣き虫だけど強くなったもんな」
絡めた指が、ゆっくり離れる。
紫音はこれから頑張るんだ。
あたしも笑顔で見送ってあげよう。
「紫音‼︎大好きです‼︎すっごく愛してます‼︎頑張って下さい‼︎」
「は、はぁ⁉︎デカイ声で何言ってんだよ‼︎チビ‼︎」
「ほんとのこと言っただけだもん‼︎行ってらっしゃい‼︎」
「…行って来ます。俺も…あ、愛してます…」
照れた顔でそっぽを向きながらの言葉。
耳まで赤くなってるよ?
だけど、すごく嬉しかった。
しばらく会えない分、たくさん〝好き〟を伝えたかったのです。
ちゃんと信じて待ってるからね。

