【一花side】



結婚して嬉しかったのに、心にぽっかり穴が空いた気分…。


紫音がアメリカにデザイナーの勉強しに行っちゃう。


絶対に帰って来るって分かってるのに苦しい……。



ギリギリまで一緒にいたくて、空港までお見送りに来た。


大きなスーツケースを二つも持ってる紫音を見ると、嫌でも実感する。


「来年の春には帰るから。良い子にして待ってろよ〜」

「紫音こそ‼︎金髪美女と浮気しないでね?」

「巨乳の金髪美女だったらヤバイかも…」

「最低‼︎」


いつも通りの会話で、ケラケラとお腹を抱えて笑う。


でも、紫音が優しく感じます…。


「さすがに俺も春まで待てねぇから、冬休み使ってコッチ来いよ」

「うん‼︎行く‼︎絶対行きます‼︎」

「あ、でも補習になったらナシな」

「ヤダよぉ〜‼︎数学危ないのに〜‼︎」

「勉強出来る嫁じゃねーとヤダ」


厳しい言葉を言いつつ、優しく頭を撫でてくれる。


撫でてくれる手、大好き……。