大きめのスーツケースが場所を取る部屋の中、一花を呼んだ。
小さく床に座り、スーツケースをジーっと見る。
「アメリカから帰って来てお片付け終わってないの?手伝う?」
「いや、新しく中詰めたんだ」
「またアメリカ行っちゃうの⁉︎もうすぐ学校始まっちゃうよ」
うわっ‼︎
一花から核心突いてきた…。
でも、正直に話す以外ないよな……。
「一花。大事な話して良いか?」
「うん。どうしたの?」
「俺、退学してアメリカ行く。デザインの勉強して成功するために」
「…えっと…退学って…卒業しないの?」
「あぁ。一応、帰国は来年の春で考えてる」
言い切った俺を見上げて、涙目で抱きつかれた。
泣かせた…。
「ヤダ…っ。一緒に卒業するもん…。離れたくないよぉ…」
「泣くなよ。ちゃんと一花のこと迎えに来るから」
「うぅ〜っ……」
予想通りの反応でも、心が痛くなる。
好きなヤツの泣き顔って嫌いだ…。

