【紫音side】
夏休み中に2度目のアメリカ。
重要な話をするために、父さんの自宅兼オフィスを訪ねた。
コーヒーを飲んで思いっ切り咳き込み、俺の顔を覗き込む。
「し、しーちゃん…。それ、マジで言ってんの⁉︎」
「マジ。しかも、けっこー本気」
「そ、そっか。まぁ……本気なら許してあげる。その代わり、息子だからって甘やかすつもり無いからね‼︎」
「そっちの方が助かる」
早く独り立ちするために選んだ道。
あと数ヶ月で卒業だけど退学する。
そして、父さんを頼って早めにデザインの勉強に励むことにした。
俺、卒業まで待てねーから。
「ただ、ほんとにみんなと卒業しなくて良いの?」
「俺が決めたことだから」
「決めたら曲げないとこ、俺にそっくり。じゃあ、9月から拠点こっちね」
「ありがと。帰ったら荷物まとめとくわ」
「そんなことより‼︎新婚で早くも単身赴任ですか〜」
ズキっと胸が痛んだ。
俺だって、ギリギリまで悩んだんだよ‼︎
でも、独り立ちを決断したことに後悔はねぇ。

