【一花side】
幸せな毎日を送っていたのに、お兄ちゃんからの電話で一気に現実に引き戻された。
明日はあたしの誕生日なのに……。
誕生日前日にこんな感情になるなんて嫌だ……。
「一花…。そんな顔しないで。俺も一緒に行くから。ね?」
「もう会いたくなかったのに……」
「そうだな。大丈夫だから。車乗って」
お兄ちゃんがあたしの頭をポンポンと軽く叩く。
とうとう恐れてたこと。
お父さんから呼び出しをされてしまった。
もちろん…お誕生日の婚約について。
お兄ちゃんが運転する車で、お父さんが待つお屋敷へ行く。
お手伝いさんがすぐ、お父さんの元へ通してくれた。
「そんな張り詰めた顔しないの‼︎お兄ちゃんに任せなさーい‼︎」
「あたし紫音と別れたくないのに…」
「あはは‼︎別れるって決まったわけじゃないじゃん?素直な気持ち、お父様にぶつけて来い」
うじうじしてちゃダメだよね。
一歩踏み出さないと。

