腕を引っ張られつつ、紫音のお部屋に来た。
珍しく照れてる…。
「ねぇ、紫音‼︎」
「ん?」
「お誕生日プレゼントでケーキ焼きました‼︎結婚のことで忙しくて物じゃないんだけど…」
「マジで?いや、全然嬉しい…」
良かった〜‼︎
ホッとしたあたしの前で、ちゃんとケーキを食べてくれた。
「おいしい?」
「うまいよ」
「やった〜‼︎最近、頑張って料理極めてるんです‼︎」
「へぇ〜…。花嫁修業ってやつ?」
「うん‼︎完璧な奥さんになるために勉強してるの」
紫音は「そっか」と笑いながら、頭を撫でてくれた。
彼氏じゃなくて、旦那さんなんだよね……。
つい、ジーっと見詰めてしまう。
「おい、チビ。アホ面してんぞ」
「アホ⁉︎むぅ〜‼︎失礼だよっ‼︎」
「ははっ‼︎膨れてるし」
ケラケラ笑い頬を摘ままれた。
触ってくれるのは嬉しいけど………。
からかい過ぎ〜‼︎
あたし、一応奥さんですから‼︎

