俺と一花がこの歳で結婚する、ってことか?
動揺しまくる俺に、旺太さんは慌てて首を横に振った。
「無理にとは言ってない‼︎他の作戦もあるから‼︎」
「でも、俺と一花が籍入れた方が確実ですよね?」
「確実、だね…。ただ、未成年だからお互い保護者の承諾が必要だけど…」
「そんなことしたら、一花のお父さんが拒否しませんか?」
「それがね‼︎お祖父様が父親代わりなんだ。お父様も誤算だったよね」
クスクスと笑って見せた。
いや、でも俺はどうする?
この歳でなんて許されなくね?
「まずは、一花より紫音君だ。こんなこと聞くのは酷だけど……覚悟は決まった?」
「当たり前です。最初から決まってます」
結婚なんて正直、何十年も先のことだと思ってた。
それが来月の話になってる。
番狂わせにも程があるっつーの‼︎
一花と、どうしても話がたくて部屋に行ってみた。
俺を見るなり走って抱きついてくる。
可愛い……。
「お兄ちゃんと結婚のお話したの?」
「まぁな。で、どうする?」
大きな瞳を揺らして目を逸らす。

