俺様には甘いイチゴを。




しばらく紫音の膝に座り泣いてしまったあたし。


その間、ずっと背中を撫でてくれてた。


優しさで胸がきゅっと痛くなります…。


「泣き止んだ?目、赤くなってる」

「まだ涙出そう……」

「泣くなよ…。俺、お前の泣き顔嫌いだ。笑顔の方が好き」

「それ、優菜ちゃんから聞きました」

「アイツ〜…余計なこと言いやがってー」


悔しそうに眉間にシワを寄せた。


でもね、優菜ちゃんのおかげで素直になれたんだよ?


あの時、背中を押してくれて本当にありがとう。



「一花。今日の授業サボるか?」

「出席日数大丈夫なの?」

「大丈夫じゃねーけど…。一花とこのままくっつきたい」


お腹に腕が回り、背中に頭をぐりぐり。


紫音が……甘えてる⁉︎


「一緒にサボっちゃいましょう」

「ん。3時間目終わったら教室にカバン取りに行く」

「そうだね」


絡められた指が愛しい。


そして、顔の距離が近付きそっと唇が触れた。


キスってこんなに幸せだったんだ…。